就業規則の作成から届出
就業規則を作る際には、労働基準法などでルールが明確に定められています。特に「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得義務化、同一労働同一賃金などがポイントとなり、2025年度からさらに規制や義務化項目が広がります。以下に体系的に整理します。
就業規則に設ける別規定について
- 賃金規程・退職金規程・育児介護休業規程などは、就業規則の本体に盛り込むことも、別規定として切り離すことも可能です。
- 別規定とする場合は、就業規則との整合性を保ちつつ「就業規則に基づく詳細は別に定める」と明記する必要があります。
- 特に2025年度からは「勤務間インターバル制度」「医師の面接指導に関する規程」など、新規制に関連する事項を別規程として整備する企業も増える見込みです。
就業規則の届出に必要な労働者の意見について
- 就業規則を新たに作成・変更する際には、労働者の過半数代表者の意見書を添付して労働基準監督署へ届出を行う必要があります。
- 過半数代表者は、労働組合(過半数で組織されている場合)または労働者の投票・挙手など民主的な方法で選出された代表者です。
- 意見書は「同意」までは不要ですが、代表者の署名・押印が必要であり、形式的であっても整備しなければ受理されません。
周知義務について
- 届出を行っただけでは効力が生じず、労働者への周知が必須です。
- 周知方法としては以下が認められています。
- 社内の見やすい場所に掲示・備付け
- 書面を労働者に交付
- PCやイントラネットなど電子媒体で閲覧可能にする
- 周知がなければ規則の効力は発生せず、労使間のトラブルにつながるため、実効性のある方法を選ぶことが重要です。
本社での一括届について
- 事業場ごとに就業規則を作成・届出するのが原則ですが、事業場ごとに内容が同一であれば、本社を所轄する労働基準監督署に一括届出が可能です。
- この場合でも、各事業場の労働者代表の意見書を添付する必要があり、「本社で一括したから支店では意見書不要」ということにはなりません。
- ただし、事業場ごとに労働条件や勤務形態が異なる場合は、一括ではなく個別に就業規則を整備する必要があります。
働き方改革関連法の概要
就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。
- 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
- 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
≪多岐にわたる改正内容を一括審議するため、次の8つの法律を中心に構成されています≫
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
- 労働契約法
- パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
- 雇用対策法
- 労働時間等の設定に関する特別措置法
- じん肺法
段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。
■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行
就業規則を運用するため顧問契約をご検討ください
働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりでは
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。
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