休職の定め方①
2026年度の新たな規制・義務化に備え、「働き方改革法」に対応した就業規則の整備が急務です。なかでも休職制度は、トラブルを未然に防ぐために明確な定めが必要な重要項目です。本記事では、休職の基本的な考え方と種類、期間設定のポイントについて、社会保険労務士の視点で分かりやすく解説します。
休職とは会社側の処分である
- 休職は懲戒処分とは異なりますが、労務提供ができない従業員に対し、会社が就労義務を一時的に免除する人事上の措置です。労働契約は存続したまま身分のみを維持する制度です。
- 休職命令は会社の人事権に基づく処分であり、就業規則に根拠規定がなければ原則として適用できません。合理性と客観性が重要になります。
▼社会保険労務士アドバイス
休職は「自動的に発生するもの」ではなく、会社が命じる処分です。そのため、発令要件・手続き・復職判定基準を就業規則に明確に定めることが不可欠です。曖昧な規定は無効と判断されるリスクがあります。医師の診断書の提出義務や面談実施の流れも具体的に規定しておきましょう。
休職の種類
- 傷病休職
私傷病により長期間就労できない場合に適用します。業務外の事由が対象で、休職期間満了時の復職可否判断が重要です。 - 自己都合休職
留学や家族介護など本人都合による長期離職を想定します。会社の承認制とし、無制限とならない設計が必要です。 - 公務休職
議員就任など公的職務への従事を理由とする場合に定めます。法律上の義務との整理が必要です。 - 起訴休職
刑事事件で起訴された場合に企業秩序維持の観点から命じます。無罪推定原則とのバランスが重要です。 - 組合専従休職
労働組合活動に専従する場合の取扱いです。労使関係の安定を踏まえ規定します。 - 出向休職
在籍出向などで他社に勤務する場合の身分整理として定めます。賃金負担や指揮命令系統を明確にします。 - その他休職
不妊治療や海外赴任帯同など企業独自の制度設計も可能です。
▼社会保険労務士アドバイス
休職の種類ごとに「対象事由・申請手続き・賃金の有無・社会保険料負担・復職条件」を整理することが重要です。特に傷病休職と復職可否判断は紛争になりやすいため、主治医意見書だけでなく産業医意見を踏まえる運用設計をおすすめします。
休職には期間を設ける
- 休職制度には必ず上限期間を定めます。期間満了時に復職できない場合は自然退職とする規定が一般的です。
- 勤続年数に応じて期間を段階的に設定する方法もあります。合理性のある設計が求められます。
▼社会保険労務士アドバイス
期間の定めがない休職制度は、雇用関係が不安定なまま長期化する恐れがあります。期間満了時の取扱い(復職・再休職・退職)を明確にし、復職判定基準も具体化しておくことで法的リスクを大きく低減できます。働き方改革法対応としても、透明性の高い制度設計が重要です。
就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。
- 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
- 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
- 労働契約法
- パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
- 雇用対策法
- 労働時間等の設定に関する特別措置法
- じん肺法
段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。
■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行
働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりでは
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。