横浜みなとみらい社会保険労務士法人

休職の定め方②

働き方改革法の進展により、企業には労務管理の透明性と適正な就業規則の整備が求められています。特に休職制度は、給与の扱いや社会保険料、復職条件などを明確に定めておかないと、労使トラブルにつながる可能性があります。本記事では、就業規則で定めておくべき休職制度の基本ポイントについて、社会保険労務士の視点から分かりやすく解説します。

休職期間中の給与の取り扱い
  • 休職期間中の給与を無給とする場合は、就業規則に明確に規定しておくことが重要です。規定がない場合、給与支払い義務の解釈が争点となる可能性があります。無給とする場合は、その旨を就業規則や休職規程に具体的に定めておく必要があります。

▼社会保険労務士アドバイス
休職期間中の給与を無給とする企業は多いですが、就業規則に明記されていない場合は労働トラブルになることがあります。また、傷病手当金などの制度を従業員に案内することも重要です。制度説明を丁寧に行うことで従業員の不安を軽減でき、企業と従業員双方にとって円滑な休職制度の運用につながります。

休職期間中の社会保険料の取り扱い
  • 休職中であっても社会保険に加入している場合は、従業員負担分の社会保険料の支払い義務があります。そのため、給与が発生しない場合には、会社へ振り込み等の方法で納付する旨を就業規則で定めておくことが重要です。

▼社会保険労務士アドバイス
休職期間中の社会保険料の取り扱いはトラブルが多いポイントです。給与が発生しない場合でも社会保険料は発生するため、会社が一時的に立て替えるのか、本人に振込してもらうのかを明確にしておく必要があります。納付期限や方法を就業規則や個別通知で明確にしておくことが望ましいでしょう。

休職期間満了時の退職の扱い
  • 休職期間が満了しても復職できない場合は、自然退職とする旨を就業規則に定めておくことが一般的です。復職可能性を判断する基準や手続きについても明確に規定しておくことで、企業と従業員双方のトラブル防止につながります。

▼社会保険労務士アドバイス
休職期間満了時の退職規定は、企業にとって重要なリスク管理です。ただし、復職可能性の判断は医師の診断書や業務遂行能力を総合的に判断する必要があります。形式的に退職扱いとするのではなく、合理的な判断基準を就業規則に定めておくことが重要です。

復職判断の考え方
  • 従業員が復職可能と判断された場合、会社は合理的な理由なく復職を拒むことはできません。復職の判断基準や提出書類、産業医の意見聴取などの手続きを就業規則で定めておくことが重要です。

▼社会保険労務士アドバイス
復職判断は企業側の裁量だけで決めるとトラブルの原因になります。医師の診断書、産業医の意見、業務遂行能力など複数の要素を総合的に判断する仕組みを整えることが重要です。また、リハビリ出勤や段階的復職制度を設けると、従業員の職場復帰がスムーズになるケースもあります。

短期欠勤を繰り返す場合の通算規定
  • 短期間の欠勤と復帰を繰り返す場合に備え、一定期間内の休職日数を通算する規定を設けることがあります。通算規定を設けることで、制度の公平性を保ちつつ、長期的な労務管理を適切に行うことができます。

▼社会保険労務士アドバイス
短期的な欠勤を繰り返すケースでは、休職制度の運用が複雑になることがあります。そのため、一定期間内の休職日数を通算するルールを定めることで制度の乱用を防ぐことができます。ただし、疾病の性質など個別事情もあるため、機械的に判断せず柔軟な対応も重要です。

働き方改革関連法の概要

就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。

  • 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
  • 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
≪多岐にわたる改正内容を一括審議するため、次の8つの法律を中心に構成されています≫
  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
  • 労働契約法
  • パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
  • 雇用対策法
  • 労働時間等の設定に関する特別措置法
  • じん肺法

段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。

■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行

就業規則を運用するため顧問契約をご検討ください

働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりではありません。
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就業規則について質問がくることもあり、その際に回答ができなかったり、記載通りに運用できない場合は、メンテナンスが必要になります。
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。

上部へスクロール