横浜みなとみらい社会保険労務士法人

募集採用時の年齢制限の禁止

2026年度の働き方改革関連法の対応にあたり、採用時の「年齢制限」は特に注意すべき重要ポイントです。雇用対策法により原則として年齢制限は禁止されており、違反すれば行政指導や企業イメージ低下にもつながります。本記事では、年齢制限の基本ルールと例外、実務上の注意点について、就業規則作成の視点から分かりやすく解説します。

雇用対策法における年齢制限の基本ルール
  • 募集・採用において年齢制限は原則禁止とされています。
  • 例外的に合理的理由がある場合のみ制限が認められます。

▼社会保険労務士アドバイス
年齢制限は「合理的理由の明示」が重要です。求人票や募集要項に理由を記載しない場合、違法と判断されるリスクがあります。特にハローワーク掲載時は記載内容が厳格にチェックされるため、根拠の明確化と表現の整備が不可欠です。形式的な理由ではなく、業務内容と年齢要件の関連性を説明できるよう準備しましょう。

年齢制限が認められるケース
  1. 定年年齢未満の人材に限定する場合
    期間の定めのない労働契約については、定年年齢を上限として年齢制限をすることが認められています。
  2. 労働基準法上の危険業務など年齢制限が必要な場合
  3. 長期勤続によるキャリア形成を目的とする場合
    長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集、採用するとき
    ※ただし①対象者の職業経験について不問とすること。②新規学卒者以外の者にあたっては、新規学卒者と同等の処遇であることという要件を満たす必要があります。
  4. 技能・知識の承継を目的とする場合
    特定の年齢層の特定の職種の労働者の数が少ない一定の条件の場合に、その職種の業務の遂行に必要な技能・知識の承継を図ることを目的とする場合
    ※期間の定めのない労働契約に限ります。
  5. 芸術・芸能分野で表現の真実性等を確保するために特定の年齢層にする場合
  6. 高齢者雇用促進のため一定年齢以上に限定する場合
    ※特定の年齢層の雇用を促進する国の施策(雇入れ助成金等)を活用するため、その施策の対象となる特定の年齢層に限定して募集・採用する場合には、年齢制限をすることが認められています。

▼社会保険労務士アドバイス
例外規定を適用する際は、単に「若手募集」などの曖昧な表現は避ける必要があります。「長期勤続によるキャリア形成」などの文言を正しく用い、厚生労働省の指針に沿った記載を行いましょう。また、採用後のミスマッチを防ぐためにも、年齢ではなく職務要件やスキル要件の明確化を併せて行うことが重要です。

その他の注意事項
  • 求人票と実際の採用基準の不一致はトラブルの原因となります。
  • 年齢制限理由の説明責任が企業側に求められます。

▼社会保険労務士アドバイス
実務では「無意識の年齢差別」が問題になるケースも多く見られます。面接時の質問内容や評価基準にも注意が必要です。就業規則や採用基準を整備し、社内で統一した運用を行うことで、法令遵守だけでなく採用の公平性・企業イメージの向上にもつながります。定期的な見直しと研修の実施も有効です。

働き方改革関連法の概要

就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。

  • 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
  • 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
≪多岐にわたる改正内容を一括審議するため、次の8つの法律を中心に構成されています≫
  • 労働基準法
  • 労働安全衛生法
  • 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
  • 労働契約法
  • パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
  • 雇用対策法
  • 労働時間等の設定に関する特別措置法
  • じん肺法

段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。

■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行

就業規則を運用するため顧問契約をご検討ください

働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりではありません。
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就業規則について質問がくることもあり、その際に回答ができなかったり、記載通りに運用できない場合は、メンテナンスが必要になります。
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。

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