試用期間の定め方
2025年度の新たな規制・義務化に対応する「働き方改革法」では、就業規則の内容がこれまで以上に重要になります。特に試用期間は、運用を誤ると解雇トラブルや労務リスクに直結する制度です。本記事では、雇用側の視点から試用期間の基本的な考え方、適切な期間設定、解雇の注意点、勤続年数の扱いまでを分かりやすく解説し、就業規則整備のポイントを整理します。
雇用側にとって試用期間とはどのような制度か
- 試用期間は、採用後に業務適性や勤務態度を見極めるための制度です。
- 本採用を前提としつつ、一定の評価期間を設ける点が特徴です。
- 労働契約は成立しており、自由な解雇は認められません。
▼社会保険労務士アドバイス
試用期間は「解雇しやすい期間」と誤解されがちですが、法的には通常の労働契約と大きな違いはありません。就業規則には、試用期間の目的・評価基準・本採用の判断方法を明記し、客観性を確保することが重要です。曖昧な規定は、働き方改革関連法への不適合や紛争リスクを高めるため注意が必要です。
試用期間の期間設定
- 一般的な会社では3か月~6か月とするケースが多いです。
- 職種や業務内容により合理的な期間設定が求められます。
- 就業規則に期間を明確に定めることが必要です。
▼社会保険労務士アドバイス
試用期間の長さは、業務習熟に必要な期間と合理的に結び付いている必要があります。過度に長い設定は無効と判断される可能性があります。働き方改革法対応として、職種別・雇用形態別に期間を整理し、評価プロセスと併せて就業規則に反映させることが、実務上のトラブル防止につながります。
試用期間の短縮または延長
- 評価が順調な場合、試用期間を短縮することは可能です。
- 延長する場合は、合理的理由と事前規定が必要です。
- 無条件の延長は認められません。
▼社会保険労務士アドバイス
試用期間の延長は、就業規則に「延長する場合がある」旨と条件を明記していなければ原則不可です。評価不足や指導期間確保など、合理的理由を記録として残すことが重要です。働き方改革に伴う説明責任強化の流れを踏まえ、判断基準を可視化する運用が求められます。
試用期間中の解雇
- 試用期間中でも客観的・合理的理由が必要です。
- 能力不足は具体的事実に基づく説明が求められます。
- 即時解雇は原則として認められません。
▼社会保険労務士アドバイス
試用期間中の解雇であっても、解雇権濫用法理が適用されます。評価記録や指導履歴がない解雇は無効と判断されやすいため注意が必要です。就業規則と運用を一致させ、評価面談や改善指導の実施を徹底することが、労務リスク低減につながります。
勤続年数の通算
- 試用期間は原則として勤続年数に通算されます。
- 有給休暇の算定にも影響します。
- 除外する取り扱いは認められません。
▼社会保険労務士アドバイス
試用期間を勤続年数から除外する規定は無効となる可能性があります。有給休暇付与や退職金算定にも影響するため、誤った記載は大きなトラブルにつながります。働き方改革法への対応として、法令に沿った勤続年数の扱いを就業規則で明確にしておくことが重要です。
就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。
- 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
- 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
- 労働契約法
- パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
- 雇用対策法
- 労働時間等の設定に関する特別措置法
- じん肺法
段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。
■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行
働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりでは
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。