異動の定め方
2026年度に向けて「働き方改革法」に関連する新たな規制や義務化が進む中、就業規則における「異動」の定め方は、これまで以上に重要になります。人事異動や配置転換、出張、出向などは会社の裁量が認められる一方で、定め方を誤ると労使トラブルに発展する可能性もあります。本記事では、就業規則における異動規定の基本的な考え方と注意点を解説します。
人事異動は会社側が自由に行えるか
- 人事異動には、昇進・配置転換・出張・出向(在籍出向)・転籍(移籍出向)などがあります。
- 原則として、就業規則に定めがあれば会社は業務上の必要性に基づき命じることができます。
- ただし、労働者に著しい不利益が生じる場合は無効と判断されることがあります。
▼社会保険労務士アドバイス
人事異動を「会社の裁量」とだけ規定するのは危険です。異動の種類ごとに目的や範囲、手続を就業規則で明確にしておくことで、合理性が認められやすくなります。特に出向や転籍は労働条件の変更を伴うため、本人同意の要否や賃金・社会保険の取扱いも併せて規定しておくことが、トラブル防止の観点から重要です。
配置転換は会社の自由が原則
- 配置転換は、同一企業内での職務内容や勤務場所の変更を指します。
- 就業規則に包括的な配置転換規定があれば、会社の裁量が広く認められます。
- 家庭事情や健康状態への配慮を欠く場合は問題となる可能性があります。
▼社会保険労務士アドバイス
配置転換の自由を確保するためには、「業務上の必要性」と「労働者の不利益の程度」のバランスが重要です。就業規則には、職種・勤務地変更の可能性を明示しつつ、例外的に配慮するケースも記載しておくと実務で運用しやすくなります。2026年度以降は、説明責任を果たせる規定整備がより求められます。
出張は会社が自由に命じられる
- 出張は一時的な勤務地の変更であり、配置転換とは区別されます。
- 業務命令として会社が自由に命じることが原則です。
- 旅費や手当の取扱いは、就業規則や出張旅費規程で明確にします。
その他異動に関して注意すべき点
- 出向・転籍は本人の同意が必要となる場合があります。
- 不利益変更に該当しないかの検討が必要です。
- 説明不足は労使トラブルの原因になります。
▼社会保険労務士アドバイス
出向や転籍は、配置転換よりも法的ハードルが高いため、就業規則だけでなく個別契約や同意書の整備が不可欠です。また、働き方改革法の流れを踏まえ、異動理由の合理性や説明責任がこれまで以上に問われます。形式的な規定だけでなく、実際の運用を想定した就業規則設計が重要です。
就業規則は、働き方改革関連法の対応を視野に入れて作成する必要があります。
法改正は企業にとって非常に重要な内容となります。
働き方改革関連法の改正の主な柱は、以下となります。
- 長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現等
- 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)
- 労働契約法
- パート労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)
- 雇用対策法
- 労働時間等の設定に関する特別措置法
- じん肺法
段階的に施行されるため、いつから、どのような改正が行われるかをチェックしておく必要があります。また中小企業や一部業務等に猶予措置などもあります。
■参考書籍■
THE FIRST STEP! 就業規則をつくるならこの1冊【第6版】
社会保険労務士 岡田良則箸
株式会社自由国民社 発行
働き方改革関連法の改正は、都度行われ、施行開始時期に合わせてアップデートも必要です。従いまして、就業規則は一度作成したら終わりでは
また就業規則は作成した後の運用が大切です。作成した就業規則は従業員に周知しなければならず、従業員から就
そのような理由から、当事務所にて就業規則を作成する場合は、顧問契約をご検討頂いております。